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幻を見ていたのだろうか?

宙組東京公演の千秋楽は2月12日。バレンタインの2日前のことでした。星組の前のトップスター、わたるさん(湖月わたる)さんの退団発表があったのが昨年の2月13日でしたから。宝塚ファンは2年続けて寂しいバレンタイン・デーを過ごすことになったのですね.......クリスマスに大劇場を後にしたスターさんは、概ね、東京ではバレンタインの頃にサヨナラになる流れなのでしょうか?タータン(香寿たつき)のときはどうだったっけ?リカさん(紫吹淳)のときはどうだったっけ?

宙組の千秋楽は2月の連休の最後の日で、千秋楽の様子はその週が終わるまでタカラヅカニュースで放映されていて。ずっと気になっていたけれど、反面、気が進まないというのもあって、週末になってようやく、タカラヅカニュース総集編で千秋楽のダイジェスト映像を見たのでした。

気が進まなかったのはなぜだろう.......かしちゃん(貴城けい)のサヨナラをなかったことにしたいという気持ちが、潜在意識の奥底のどこかにあったからなのかな........

かしちゃんのサヨナラの姿を見たら自分の心が動揺するのがわかっていたから.......コムちゃんのサヨナラ公演でもあんなに動揺したのだから........それを恐れていたのかもしれない。

宝塚歌劇の1つの公演を複数回観劇したのは、雪組『春麗の淡き光に』が初めてでした。今でこそ1つの公演を最低2回は観ると言っている私ですが........(苦笑)。芝居の幕開きの華やかさと、ショー『Joyful!!』の楽しさに魅かれて、何度も東京宝塚劇場に足を運びました。
千秋楽の公演を生で観劇したのも『春麗~』が初めてのことでした.......初めてであり、唯一、でもあるけど(笑)。

「出待ち」を経験したのも『春麗~』の千秋楽の日が初めてでした。私の記憶の中では、よく晴れて気持ちのよい初夏の午後(夕方?)でした。
ファンの列の前を歩いてくるかしちゃんは、颯爽としていて爽やかで、華やかでステキだった。帝国ホテル側の横断歩道を渡る間際に振り向いた、笑顔の輝き。きらめき。ファンに向かって片手を高く上げた姿を、今もはっきり覚えている。

『春麗~』....正しくは『Joyful!!』はとても好きだったので、全国ツアーを追いかけて、浜松にも行きました。
観劇前に食事をとろうと思って、浜松の街をあるいていたときに、かしちゃんに出会った。ムラや日比谷以外の街中でジェンヌさんに出会ったのも、このときのかしちゃんが初めてでした。この日もいいお天気で.......でも、もしかしたらそうではなかったのかもしれない。私の記憶の中ではいいお天気でした.......かしちゃんは「スターのオーラ」に包まれて見えました。一緒にいた浜松在住の友人が「この辺じゃ絶対に見かけん人たちだよ」って大騒ぎしてたっけ。

今年のお正月に初めて『竜馬伝!』を観たときはさほど感じなかったのですね。けれど、次に2月に入って観劇したときは、ショーの初めの方で赤いマントのようなお衣装を着て現れたかしちゃんの横顔に、思わず涙ぐんでしまいました。
my楽の夜は、フィナーレを見ながら、あの千秋楽の日のかしちゃんの姿が心の中に蘇って、涙がこぼれました。後から後から涙があふれて自分の頬を流れ落ちているのがわかっているのだけれど、それでもオペラグラスをはずせませんでした。かしちゃんのどんな姿も見逃したくないと思ったのでした。

私にとって、かしちゃんは、いろんな意味でご縁があって.......勝手にご縁を感じているだけですが(笑)、思い入れの深い生徒さんの一人でした。だから、かしちゃんのサヨナラを見るのがつらかった......


千秋楽からほぼ1週間が過ぎた週末のタカラヅカニュースで、ようやくダイジェスト映像を見ました。

テレビ画面の中のかしちゃんは、何もかもに満足げな、幸福そうな笑顔だと思いました。何かを成し遂げた人の笑顔。なに一つ悔いることのない、そんな人の笑顔だと思いました。
宙組のトップでいたのは8ヶ月間だったと、かしちゃんが語っていました。短い時間だったし、いろいろと葛藤も少なくなかったと思います。けど、もう吹っ切れているのかな。一つ大きな何かを乗り越えることができたのかな......そんな風に思いました。そしてまた、あの日の笑顔を思い出しました。あの日と同じあの笑顔だと思って。少しまぶしかった。

ムラでのサヨナラショーのとき、サヨナラショーは思い出の再確認だから、共有する思い出のないサヨナラショーは観ていてもつらい、と、どこかに書いた覚えがあるけれど。この日の宙組のサヨナラショーはそうではなかった。
同じ作品で同じ舞台に立っていた「思い出」はなくても「思い」を共有することはできて、彼らはこの舞台の上で、心を通い合わせているのだというのがわかった。カンパニーは変化するものだし。舞台は、その変化する「思い」を如実に映し出すと思う。舞台って不思議だ。

銀橋の真中に立つ、かしちゃんの存在感の大きさ。

最後に、ともに退団する生徒さんたちを引き連れて緞前に現れたとき。「この光景を覚えておきましょう」と言った言葉は、かしちゃんの「思い」と人となりを何よりよくあらわしていたのではないかと思う。こんなかしちゃんが好きだし、こんなスターさんに出会えてよかったと思った。


千秋楽の映像を見てから、さらに1週間が過ぎたけれど、今も実感がわかない。その間に、次の月組公演を観劇したりもしたけれど。あんなにキレイで立派なスターさんが、もうここにいないということが、夢のように思えてきます。

そう思ううちに、次第に、かしちゃんがここにいたことのほうが夢だったのではないかと思えてくる気がしました。

私は美しい幻を見ていたのだろうか..........?

また一人.....

「新たな気持ちで」と、ひとつ前の記事に書きました。初舞台生たちのデビューと、次々に誕生する各組の新しいトップスターたち。それとともに新たにスタートを切る各組を。期待を込めて見守ろうと思った矢先。

宙組の初嶺麿代ちゃんが今度の『A/L』千秋楽で退団することが、発表になりました

宙組東京公演が終って。かしげちゃん(貴城けい)はじめ7名の退団者を送り出して。いつの間にか気づくと、はっちゃんは宙組で上から5番目の上級生になっていたのね......上から4人は幹部部屋だから、この次の公演では大部屋の長になるはずだったのに。そうなる前に退団してしまうのね.....

また一人、大階段を下りずに退団する生徒さんが...と思うと、それも切ない。もう十分上級生だし、スカイレポーターズも務めているというのに、なぜ?って思う。 やっぱり、大階段を下りる袴姿を、東京宝劇場前を花束を抱きしめて歩く姿を、見送りたいと思う。

舞台の上のはっちゃんは、その時々の役に応じて、出すぎず、だからといって埋もれることなく、いつも「いい働き」をしていたと思います。
終わったばかりの『維新回転・竜馬伝!』では、岩倉具視役で。出番は少ないけれど、押さえた落ち着いた演技が印象的で。はっちゃん、あらたな境地を切り開いたかしら?って思ったものでした。
ショーではいつも、丸い目をクルクルさせて、愛らしかった記憶がある.......もう、大階段の前に、はっちゃんの姿は見られないのね....

スカイレポーターズが生まれて1年半。各組から選ばれたメンバーは、いずれもある程度の上級生で、シッカリしてて。お話も上手で。将来はそれぞれの組の屋台骨を支える人たちだと思ってた。

事実、公演レポートなどで活躍する姿はそれぞれ頼もしかったし。お正月の特別番組などでも、仕切りの上手さは際立っていたと思います。それぞれに。

けど、任期終了を待たずに、雪組のあいちゃん(麻愛めぐる)、月組ののぞみちゃん(楠恵華)が退団した。はっちゃんはそれに続いて3人目ですよね。貴重な人材なはずだと思うのに。こんなに退団が相次いで。宝塚歌劇団の将来は、大丈夫なのかしら...???

......なんて、ちょっと心配しないでもないけれど。

でも、惜しまれて辞めるっていうのは、いちばん幸せなパターンでもあるのかな......なんて。自分の心に折り合いをつける(苦笑)

ワタシは昨年に引き続き今年も、諸般の事情により本公演以外の観劇は最小限にとどめようと思っています。けど、『A/L』はぜひ観劇したいと思う。はっちゃんとお別れをするために。はっちゃんも、記憶にとどめておきたい生徒さんの一人だと思うので。

生徒を愛してくださる演出家の一人、サイトーくん(斉藤吉正センセイ)はきっと、はっちゃんに見せ場を作ってくださると思うけれど。いいお役をつけてあげてください。お願いします、ひらに。

新たな気持ち♪

書きたいことは山ほどあるし、書かなければならないことも少なくないけど、なかなか考えがまとまらなくて。まとまった時間がないというよりも、いろいろなことを考えすぎてしまっていて、うまくまとめることができないというのが、今の私の状態なのではないかな、と思う。

そんな感じなので、この『すみれ三昧日記』の更新もつい滞りがち。年が明けてからまだ数えるほどしか記事を書いていない気がしています。

そんな感じで過ごしていても、月日は確実に流れて。昨日は初舞台生の口上の日程が発表になっていました。

本科生さんたちは、音楽学校での2年間の厳しいお稽古を経て、いよいよ「タカラジェンヌさん」への道を踏み出すわけですね。日程表に並ぶ名前は、今年もとっても華やか。なんだかたくさんの蝶々の羽を重ねたみたい。ここからたくさんのフェアリーたちが生まれてくるのだわ........と思うと、なんだか心が浮き立つ気がします。

みんな頑張って、ステキなスターさんになってほしいな。あぁ、なんだか一足早く春を感じる気がするわ......

同時に思うのは、あの「カマラーダ!」から、早くも1年経ったんだな....ってこと。昨年の初舞台生公演は、たかこさん(和央ようか)のサヨナラ公演でもあったのですね。そしてそれが、昨年度の。サヨナラが続いた1年の始まりになったのですね.......て思うと、なんだか感慨深い気がする。

でも、今年の初舞台は星組の新しいトップ・スター、とうこさん(安蘭けい)とあすかちゃん(遠野あすか)のお披露目公演で。それから雪、宙とお披露目が続く、その幕開けでもあるのね。

相前後して、たかこさんとおハナちゃん(花總まり)の再出発のニュースも舞い込んできたことだし。

私たちも新たな気持ちで、この初舞台生さんたちを見守り、これからの宝塚歌劇を見つめたいなと思ったりしました。

その日は花に埋もれていた....

宝塚南口駅前のお花屋さん、らんすいえんさんのホームページで、かしちゃん(貴城けい)のサヨナラのセレモニーの一部始終が、セットアップを受け持たれたお花屋さんの視点から描かれています。

あの日はクリスマスも間近だったのですね......掲載された写真を見ていると、赤いポインセチアと白い胡蝶蘭のコントラストが目にしみる........鼻がツンとしてきます。せつなくて。

昨秋の星組の千秋楽で、一緒にガードに並んでたコたちと
「日本中でこんなに胡蝶蘭がある場所は、ほかにないよ」
とか
「一生分の胡蝶蘭を見た気分だね....」
とか、話していましたが。

宝塚のトップさんのその日。劇場周辺は、いつもたくさんの花に埋もれているのですね。私たちファンは、その花を抱き、花の中を歩むスターさんの姿に。最後の夢を見るのですね........

華やかで切ない。心に残るセレモニー。その陰には、らんすいえんさんのようなお花屋さんとかたくさんの方々の、たいへんな手間とあたたかな心遣いがあるのですね......そのことはしっかり心に留めておきたいなと思いました。

大切なものを忘れていた.....@星組『ヘイズ・コード』青年館千秋楽

日本青年館での星組公演『ヘイズ・コード』で始まった2007年も、早くもひと月が終ってしまいました。今年も各組の公演を追いかけて、あっという間に1年が過ぎるのかしら....???

その、日本青年館の千秋楽の模様がスカイステージ『タカラヅカニュース総集編』で放映されたのは、この前の、その前の週末。もう10日も経ってしまいました(苦笑)

『ヘイズ・コード』は、星組の新しいトップ・スター、トウコさん(安蘭けい)と、お相手の遠野あすかちゃんだけでなく、ユズミさん(万里柚美)、まゆみさん(にしき愛)といった上級生、しいちゃん(立樹遥)、すずみん(涼紫央)、ことこと(琴まりえ)、みなみちゃん(南海まり)といった中堅スターから、紅ゆずるクン、美弥るりかちゃんといった若手さんや、もっと下級生に至るまで、それに専科のHIROさん(一樹千尋さん)、ソルーナさん(磯野千尋)、すべての出演者に、それぞれの持ち味を生かした見せ場のある、ステキな公演でした。それは、出演者の人数が少ないから、というだけではなく、やはり隅々まで心をこめて作られた舞台だったからではないかと思います。

その、一人ひとりの出演者に対する演出家・大野先生の思いは、公演プログラムに寄せた言葉や、すべての出演者について名前とともにプロフィールが紹介されていたことに現れていると思いました。それを最初に発見したとき、私はそれをとてもうれしく思いました。下級生さんのファンの方々は、もっとうれしかったんじゃないかな。それに、きっと生徒さんたちもうれしかったと思う。

誰もほんとに不幸にならないっていうストーリー.....「ゆるい」っていう批判も一部で聞こえましたが。私はそうは思いません......それに、一人ひとりの出演者がとても熱心に、楽しく、この作品に取り組んでいる様子が見えて、この『ヘイズ・コード』はとてもステキな舞台だったと思います。年の初めに、こんなステキな舞台を届けてくれた、大野先生と星組さんに感謝です。

そして、『タカラヅカニュース総集編』で放映された、千秋楽のダイジェスト映像も、その舞台の雰囲気を最大限伝えるべく.....なのか、いろいろな出演者のいろいろな場面が見れて、とてもうれしかった。あいにく千秋楽の舞台を観劇できなかった私にもその楽しさは、客席の大盛り上がりの様子とともに、しっかり伝わってきました。スカイステージさんありがとう、です♪

トップスターのプレお披露目公演でもあったこの公演で、大きなアクシデントに見舞われてしまった主演・トウコさんのご挨拶は、この公演を振り返っての思いを、自分の言葉でしっかりと語っていて、とても感動しました。この言葉を劇場で、直接自分の耳で聞くことのできた皆さんが、ほんとうにうらやましい......私のお友達の多くは実際聞いていたし、私もそのチャンスがなかったわけではなかったんですけどね。残念です(苦笑)

あまりよろしいことではない気もするのですが、スカイステージでも放映されたことだし。とても感動したので、ご挨拶を掲載してしまいます。

本日は『ヘイズ・コード』千秋楽におこしくださり、本当にありがとうございました。

この公演は、私(わたくし)にとって、いろいろな思い。いろいろな発見をした公演でした。
その中でひとつ、とても大切なことを、あらためて実感したことがあります。
それは、舞台というものはけして一人では作れない。みんなで作り上げていくものだということです。
これは本当に当たり前のことなのですけれども、私はそれを少し、忘れていたような気がします。

でもそれを、私の後ろにいる出演者のみんな、そして、今、姿が見えないんですけれも、舞台を支えてくださったスタッフのみんな、そして何より、この作品を愛して劇場に足を運んでくださったお客様のおかげと、そしてお客様の、が、私に教えてくださったことです。

でもこれは、舞台上だけじゃなくって、舞台を下りても、私は一人ではない、いろんな人と関わって、いろんな人に支えられて生きているんだなということを、本当にあらためて実感しました。
皆様本当に、ありがとうございました。(拍手)

ありがとうございます。新たな星組、新たな第一歩を、このような素晴らしい形で踏み出せたこと、本当にうれしく思っています。
これからも星組を、皆様どうぞ期待してください。(拍手)

本日は本当にありがとうございました。

以前もどこかで書いたような気がしますが、

「舞台というものはけして一人では作れない。みんなで作り上げていくものだ」

これは、舞台に限らずチームでする仕事全般にいえる「とても大切なこと」だと思います。何もかも自分ひとりで背負い込むものではなく、皆が自分の出せる力を発揮し合ってこそ、いい仕事ができるのだし。また、誰もが自分の力を十分に発揮できるように、任せるところは任せ、助け合えるところは助け合う。

トウコさんも、3年ほど前の『宝塚GRAPH』で

10年前と比べ今は、皆様によって自分は生かされているという感謝の気持ちが強くなってきたと思います。

と語っていたように、トウコさん自身、自分の力でなにもかも頑張る、という考えではなかったと思うのですね。もともと「皆で作るもの」という思いはしっかりと持っていたと思うのです。

けど、次期トップに内定して。おそらく前の本公演の頃からお仕事が増え始めていたのでしょう。この年末から年始にかけてはイベントも多く、お稽古もハードだったように見受けられます。お相手のあすかちゃんも、この公演で星組に組替えになり、『コパ』で一緒だったとはいえ、何かと勝手がわかりかねるところもあったことでしょう。
トップの重責に加えて、それやこれやのいろいろな条件が重なって。自分を見失いかけてしまったのかもしれないですね。
今、プレお披露目という早い時期に、トウコさんがこの大切なことを思い出し、自分自身のスタンスを確認できたことは、とてもよいことだったと思います。アクシデントはたいへんなことだったと思うけれど、結果的にはよかった。

昔。いつかトウコさんがトップ・スターになるときは、その大きな存在感で組をぐいぐいリードしていく、そういうタイプのトップさんになるのかな....って思ったことがありました。

でも、星組で。わたるさん(湖月わたる)の下で、わたるさんとともに舞台を作り上げていくトウコさんを見ているうちに、そうではないのかな、という気がし始めました。トウコさんは、舞台を作る仲間たちに囲まれて、その中で輝きを増していくタイプの人なのかな.....と思ったのです。

真ん中に立つトウコさんを皆が支えている、トウコさんを中心に皆が頑張っている.....もちろん、トウコさんの豊かな才能は、周囲のサポートがなくても一人で真ん中に立つのに十分すぎるものであるとは思いますが.....そんな形で、カンパニーの真ん中に存在するのが似合う人だと思いました。

それは宝塚歌劇のトップスターさんのあるべき姿のひとつなのではないかな、とも思います。

そんなトウコさんを中心に、あすかちゃんと星組のメンバーが皆の心を合わせて、よりステキな舞台をたくさん生み出してくれることを、心から期待しています。

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