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穏やかであたたかな空気@2008年秋雪組若手トークショー

2008年秋。雪組『ソロモンの指環』『マリポーサの花』東京公演中に行われたトークショーについて書いたものです。書きかけで置いてあったものを見つけたので、少し加筆して掲載します。

10月27日月曜日の夕方。雪組若手さんたちのトークショーに向かうため、雨上がりの都心の街を急ぎました。

会場のヤクルトホールの前には、いかにも宝塚ファン.....というのがどういうものか、自分でもよくわからないですが......なんとなく同じ場所に向かいそうな女性客が数人、人待ち顔で立っていました。

今日の主役は、コマ(沙央くらま)、しゅうちゃん(大凪真央)、キャビー(早花まこ)の3人。コマは新公を卒業したばかり。しゅうちゃんとキャビーは、今年が新公の長の学年ですね。

宝塚友の会の会員特典のような、この、各組若手スターさんたちのトークショーは、いつも月曜の夕方に開催されていて行きづらい時間帯のため、自分で申し込みをすることはほとんどありません。が、今回行くつもりでいたお友達の都合が悪くなったため、急遽大声をかけていただきました。
コマは、私が子ども時代を過ごした場所の近所のご出身らしく、以前スカステの何かの番組で子どもの頃の話をしていたのを聞いて、とても懐かしく思いました。それ以来、なんとなく気になる生徒さんではあったのですね。なので、今回お声をかけていただいたときに、どんな生徒さんなのか、ぜひ素顔を拝見したいなと思い、ありがたくお誘いを受けることにしたのでした。

ヤクルトホール独特の、ファッションショーの会場になりそうなステージは、深い海の底のような青白い照明に照らされていました。携帯電話の注意などを聞きながら、待つことしばし。

客席後方から3人のスターさんが現れました。

コマ(沙央くらま)は、ちょっと女性らしくてかわいらしいテーラードの黒いパンツスーツに赤いシャツ。
しゅうちゃん(大凪真央)は、白いシャツに丈の長い黒い上着に、黒いパンツ。ヒールの細いパンプスが印象的でした。
キャビー(早花まこ)は、少し空けるオレンジのワンピースに白いボレロ...だったかな?小柄なキャビーによく似合う、女の子らしい、華やかで可愛らしい装いでした。ヘアはコマがアレンジしたとのこと。前髪をセンターで分けて、トップと一緒に一つにまとめて右側でねじって、それを左の耳の後ろあたりでとめたような髪型。で、白いお花がついてました。ポイントは、コマいわく「真ん中分け」だそうで......

トークは、まず、公演の話から始まりました。

コマは思っていたとおり元気な男役さん。お客様に楽しんでもらいたい、自分たちをわかってもらいたいと、一生懸命な気持ちがとてもよく伝わってきます。

今回ショー『ソロモンの指環』は30分と短いですが、やはり、出演している彼女たちも「短さになかなか慣れなかった」そうです。

コマは最初のシーンは極楽鳥で、ダルマを着て登場するのですが、とくに休日二回公演の11時の部のときは「これで目を覚ましてもらう!」ぐらいの勢いで、パーッと出てくるようにしているそうです。

キャビーは、まやさん(未沙のえる)と一緒に指環売りとなって、銀橋の階段に腰掛けてお客様に「いらっしゃいませ」「いかがですか?」と宝石を勧めていますが。
あるとき大劇場で、いつものように「いかがですか?」と、宝石の入ったトランクを開いたら、目の前にいたオバサンが、指環をいっぱいつけた手をキャビーに突き出して見せた....なんてことがあったそうです。張り合っていたの!? それは驚いたそうですが、それも含めて、お客様と触れ合うのは、やはり楽しいようですね。

指環のセットが、指環だけじゃなくていろいろ変化していくのも、珍しくて面白い。ぜひよく見てください、とキャビー。

その指環のセットですが。舞台稽古で「指環に上る人は上って」とセンセイから指示があったときに、しゅうちゃんは、ほんとは指環に上る人ではなかったのだけれど、指輪に上ってみたのだそうです。他にも同じように上る人がいて、指環の上には、本来の人数よりも大勢が上っていたそうです(笑)。キャビーやコマも上りたかったけど、自分はその振りはついていないから....と遠慮したらしいのですが。「上ればよかった」と言ってました。

指環のセットもそうなのだけれど、指環の小道具もいっぱい出てきて、それに絡む振りがいっぱいあって、お稽古場のときは何をしているのかさっぱりわからなかったけれど、舞台稽古になって「あぁ、あれはこうだったのか!」というのがわかって、すごい驚いたというか、わぁっと思ったそうです。

コマは、浮き輪のように指環の中に入って持っている振りを見て、あれは何をしているんだろうと思っていた.....という説明のときに、ハンドマイクを持ってその振りをすると、両手がふさがってしまってマイクを持てなくなって、マイクなしですごい大声で話していたのが、おかしくてかわいかった(笑)

そのショーの中で、しゅうちゃんは海の場面が好き、ということです。海の波がうねるような動きが好きなのですって。あの場面が始まると、いつも、袖に見に行ってしまうそうです。

このショーは荻田先生(演出:荻田浩一)独特の世界なので、とくにストーリーとか考えないで、悩まないで見てほしい、とのことでした。


『マリポーサの花』は「長い」という評判だけれど、フィナーレがついて、ナンバーも多いので、演じてる側としてはあまりお芝居自体は長いと感じない。いつもと同じぐらいかな.....と。

台本もとくに厚くない.....という話の中で、お稽古の最初の本読みのときのエピソードがいくつか紹介されました。

コマはいろんな役をやっているけれど、いちばん好きなのは「使用人」ですって。本読みのときにわからなくなってしまって、となみ(白羽ゆり)のセリフを例の口調で読んでしまって、笑われたとか。

しゅうちゃんはオヅキ(緒月遠麻)の「子分」で、いつも笑っている役なのだけれど、台本にもセリフがなくて「笑」と書いてあるそうです。本読みのときに、どうしていいかわからなくて「ははは」と笑っていたら、マサツカ先生(演出:正塚晴彦)に「それは違う」と言われたそうです。

「宝塚はお客様があたたかいですよね」と話題をふられたときに、コマは、新人公演でオスカルを演じたときのエピソードの話をしていました。
まだ何もできていない自分を、お客様はあたたかく受け入れてくれた。「何もできない自分を、お客様がオスカルに引き上げてくれた」と。
それは、バスティーユの場面で。あの、衛兵隊たちに十字の形で持ち上げれたときか、それとも、こときれる瞬間か......その言葉が、コマのお人柄を表すような気がして、感動しました。今もこれを書きながら、涙がこぼれそうな気持ちです。

しゅうちゃんは、おっとりゆったりしたタイプなのですね。にこにこしていて、話をふられても「そうですね」と肯定して終っちゃうような。

キャビーはもっとキャピキャピ(←死語?)した女の子かと思っていたら、一言一言をじっくり考え、言葉を選びながら話す、とても落ち着いたお嬢さんで、ちょっと意外でした。

3人とも、現在の公演の次は『カラマーゾフの兄弟』に出演。
コマは今、頑張って原作を読んでいるのだそうですが。長いのでなかなか読めなくて......と話していました。

赤坂ACTシアターは楽屋もまだ新しくて、人が使ったという気配がなくてきれいで......なにか別の表現をされていたのですが、いまいちよく思い出せない........コマは、それも楽しみだそうです。

3人のお人柄なのかな。ファンの方々が雪組さんを見つめる眼差しのせいかな。とても穏やかな空気が流れていて。キャビー、しゅうちゃん、コマの3人に見送られてヤクルトホールを後にしたときに、なんだか心のなかに温かなものを感じました。

トークショー終了後、お見送りに立っているコマに「頑張ってくださいね」と声をかけたら、照れくさそうな笑顔で、とても力強く「はい!」と答えてくれたのが、印象的でした。

別れはキライです........けど。

クリスマス・イブ。

半年前ははるか遠い彼方のように思えていたその日がいよいよ現実のものになりました。雪組東京公演千秋楽。コムちゃん(朝海ひかる)とのサヨナラ。

東京地方はよく晴れて、風も少なく穏やかな朝を迎えました。今頃、日比谷では、コムちゃんをお迎えする準備も調い、到着を待ち構えているところでしょう........1ヶ月半前に私たちが日比谷でわたさん(湖月わたる)を待ち構えていたように。

テレビは年末のためか、朝から、今年お別れした有名人を一人一人紹介していました。今年もたくさんの人たちとのお別れがありました。宝塚歌劇でも、今年、たくさんのステキな生徒さんたちとお別れをしました。

私は「別れ」がキライです。昨日と同じ今日が巡りくるのは今日で終わり。それが切なくて、悲しくて。ずっと一緒にいられたらいいのに....ずっと楽しい夢を見ていたいのに.......だから、卒業式はいつも涙でボロボロになっていました。先輩が卒業するときも。自分が卒業するときも。

でも、時は流れゆくもの。人は変わりゆくもの。いまよりもっとステキな何かに変わるためには、今の何かを捨てて行かなければならない。だから、いまこの毎日に別れを告げなければならない........それは「さだめ」なのですよね。

ステキな夢を見せてくれたコムちゃんは、もっと大きな夢とシアワセをつかむために。そしてコムちゃんに続く人たちが新たな夢を見させてくれることができるように。コムちゃんはここを巣立っていかなければならないのですよね........その事実は受け入れているのだけれど、やっぱり悲しくて切なくて寂しくて.......

今日は日比谷には行きません。遠くからコムちゃんを思い出しています。今日がステキな一日になりますように。最後までステキなコムちゃんを皆がそれぞれの胸に刻み込むことができますように。

クリスマス・イブの日に、夢の向こうに羽ばたこうとするコムちゃんに。胸に満ちるこの思いを今はまだ上手く言葉にできないけれど.....

ひとまずは卒業おめでとう。そして、ありがとう.........コムちゃん。

やっぱり涙が止まらない@『タランテラ』初見・大劇場

『タランテラ』

サヨナラの魔術師.....と、ワタシが勝手に呼んでいる(笑)......オギーこと荻田浩一センセイが、おそらくはお気に入りの生徒の一人、コムちゃんのために作る、コムちゃんの最後の作品。そのシチュエーションを考えただけでも、もう十分切ない......

ある意味とてもオギーらしいショーだと思いました。

なにか象徴的なセット。めまぐるしい音楽と色彩の連続。次々と押し寄せる歌の洪水、ダンスの雪崩。正直なところ、細部はハッキリとは覚えていません(苦笑) けどこの作品好きだ、と思いました。

この空気の中に包まれているのは心地よい....それはすでにオギーの魔術の手の内に絡め取られているということなのかしら.....??

フィナーレ。大階段の真ん中で男役たちを従えて、ラテンナンバーを踊るまーちゃんは、すごく格好いい。心底楽しそうな笑顔を見ているのも気持ちいい。まーちゃんはロマンチックで優雅なダンスもいいけれど、こんなマニッシュでシャープなダンスを踊るところはとってもステキ。

そういえば、バレリーナを目指していたまーちゃんは、ナツメさん(大浦みずき)のダンスを見て宝塚を志すようになったって、何かで話していたっけ.....って、ふと思い出しまし。

男役たちの群舞の芯をとる、その姿に。胸にこみ上げるなにかを感じました。

そんなまーちゃんと男役さん、娘役さんたちの姿を、下手の銀橋に佇んで見つめるコムちゃんの後姿が、格好良かった。この人は、いわゆる「男役の型」にはまらないところを、きちんと格好良く見せることのできる人だと思います。舞台の上で隙がない。ある意味ストイックな姿....そこがとても好きです。

燕尾の袖をまくりあげ、髪をかきあげるしぐさに。あのコムちゃんがこんなにも成熟した男役さんになるなんて.....という思いがこみ上げて、感慨深く思いました。

お披露目の『春麗の淡き光に』の幕開けにセリ上がってきた姿。まーちゃんと二人、銀橋を静々と歩いていった愛らしい姿。『Joyful!!』のラテンの場面で、背を反らしたマーちゃんの胸に顔をうずめたコムちゃん。組子全員のラインダンス。その真ん中でパンツスタイルでキリッと踊っていたマーちゃん、ピンクのお衣装で妖精のように跳ねるように踊っていたコムちゃん。結婚式のような優雅で愛らしいデュエット.....いろんな姿が一瞬のうちに思い起こされました。

......『春麗』『Joyful!!』は、ショーが好きで5,6回見たんです。全ツを追いかけて浜松までいきました.....(苦笑)

大階段を一直線に駆け上がり、その向こうに消えたコムちゃんの影に。いろいろな思いが一気にあふれて涙がとまらない。どうしてこんなに涙が出ちゃうんだろう....

思えば、コムちゃんとまーちゃんは、お披露目からずっと、成長し続けてきた人たちでしたね.......可愛らしいけどちょっと心もとない、そんな印象のある二人だったけど(苦笑)。初々しさを残したまま大人になった、いい雰囲気の二人だったと思います.....

ふと気づくと、涙、涙のうちにフィナーレも終っていました。すごくカタルシスがあって、後味のよいショーでした。

でも、コムちゃんのファンのコたちはどうだったんだろう......最後に見たいコムちゃんの姿はこれだったのだろうか.....??? って気もちょっとしました。『堕天使の涙』とテイストが似通っていただけに、宝塚的にキレイなコムまーも見たいっていう人たちも少なからずいるんじゃないかな?って、ちょっと思いました。

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終演後はテラスレストランで、泣きじゃくりながら(苦笑)公演特別ランチをいただきました。おいしかった....

ただただ涙が.....@『堕天使の涙』初見・大劇場

コムちゃん(朝海ひかる)・まーちゃん(舞風りら)のサヨナラ公演である、雪組東京公演も後半にはいりましたが.....

今回の『堕天使の涙』『タランテラ』という作品は、私は10月20日の宝塚舞踊会の日に、せっかくムラまで行くのだから、舞踊会だけじゃなくてコムちゃんのサヨナラも観ようよ....ということになって、同じ日の昼公演を観てきたのでした。そのため、開演の11時に合わせて家を6時前に出るっていう、ちょっと強行なスケジュールになりましたが(苦笑)

せっかくムラまで行ったのに観れないとか、母を連れて立ち見とかはキツいので、事前にチケぴでチケットを購入してから行ったのですが。2階席は結構余裕があったみたい。当日でもOKだったように思われました。

思ったよりも早く到着できたので、売店をのぞいたり、キャトルで立ち読みしたりしながら、開演時間を待ちました。コムちゃんの過去の公演記念『萩の月』が売っていたので、それを眺めたりとか。せっかくなので私は『ベルばら』バージョンがいいって思ったんだけど、母は今日観る『タランテラ』バージョンがいい、と意見が分かれたので、『ベルばら』は私が会社にお土産用に、自宅用は『タランテラ』ということにしました(笑)

宝塚大劇場の2階席は、東京宝塚劇場の2階席よりも傾斜が緩く、ゆったりしています。思ったほど舞台も遠くない。上段には修学旅行の女子高生たちが座っていました。


『堕天使の涙』は、幕開けの黒いお衣装の人々の群舞が、とても強烈に印象に残りました。なんだろう....幻想的というのとはちょっと違うけれど、なにか不思議な空気。でもこの感覚は好きだ!って思いました。

そこにせりあがる、ルシファー@コムちゃん(朝海ひかる)は、深淵な何かを含んだ笑みを湛えて、美しくて妖しくて。高貴でもあり、邪悪でもあり、清らかでもあり.......とりどりの仮装をした人々も、イマジネーションを掻き立てられるような気がして、これからの展開にとても期待させられました........このオープニングの場面は、劇中劇だったのですね。劇場の中。舞台を作る人々が続々と現れる。

堕天使ルシファーを演じたルシファーは、実は本当に堕天使だったのですね........ルシファーは若手振付家ジャン・ポール@水さん(水夏希)を引き入れる。ジャン・ポールは、作りかけた作品が棚上げになって、自暴自棄で酒びたりになっているらしい。ルシファーはジャン・ポールにイマジネーションを与え、その作品を上演されるように、仕組む。
ルシファーがジャン・ポールを招いた城?の場面、美しい舞台です。

華やかな舞台の裏は人間の欲と野望が蠢く世界。ルシファーがちょっと背中をおすだけで、人間は欲望の淵に、エゴイズムの谷底に、あっさりと堕ちていく。身近な愛すべき人々を捨て、あるいは踏み台にして、自分の欲望を押し通そうとする。

そこに一人の清らかな女性が現れた。リリス@まーちゃん(舞風りら)。誰からも愛されない、自分の母親からでさえも愛されることはなかった。そればかりか、その母親に生きる望みと光を奪い取られ、人生のどん底を味わわされている。
リリスは絶望の果てにいて、すべてをあきらめていた。何も求めようとはしない。けれどその姿からは希望を感じさせられた。リリスは見えない光に包まれていた。ルシファーが心の奥に封じ込めていた温かい光を、リリスには感じ取ることができた。
果たしてリリスは不幸なのか?幸せなのか...?

光のパ・ドゥ・ドゥ。リリス@まーちゃんとルシファー@コムちゃんのダンスは、幸せの光に満ちていました。清らかで煌いていて。ふと気づくと涙がこぼれていました。自分がこのとき、何を考えていたのか、何を感じていたのか、わかりません。わからないまま、ただただ大量の涙を流していました....(苦笑)

コムちゃんとまーちゃんのダンスはとっても雄弁で、とても心に響きました。このまま幕を下ろしてくれてよかったのに。この二人には言葉は要らないと思ったのに........季節外れのノエルの場面があり、ジャン・ポールからルシファーへの別れのセリフがありました。サヨナラの決まりごと?案の定そのセリフは陳腐に響きました。

でも、ラスト。スポットの光の中で、ルシファー@コムちゃんは輝いていました。美しかった。ふと気づくと私はまた、大量の涙を流していました。頭の中も、心の中も、空っぽでした。何も考えられない。何も感じられない。心の中のすべてが涙になって流れ去ってしまったような気がしました.......

さて。涙も収まったところで振り返ってみると、ルシファーって何だったの?って疑問が残りました。彼はいったい何しにきたの?
堕ちていく人間たちのストーリーはそれぞれ明快でわかりやすい。けど、そこにルシファーが関わる理由はあったのだろうか?それと同じように、リリス&ジャン・ポールとその母の物語は、この作品全体でどういう位置づけになるのだろう.....??

景子センセイ(演出:植田景子)らしく、ひとつひとつのエピソードは美しく耽美に、丁寧に描かれているけれど、それが全体として何を表現したかったのかがいまひとつ釈然としない.....要するに、キレイだったけど何だったの?っていう思いが残りました。

けど、一緒に観劇していた母にしてみると、わかりやすいエピソードが並んでいるためか、妙にフクザツな話よりも数段面白かったみたい。そういう意味では、幅広い層に愛されるべきタカラヅカ的には成功だったのかしら...? どうも釈然としないけど.....(苦笑)

「最後」の始まり@スカステ雪組東宝初日映像

星組千秋楽を振り返っている間に、東京宝塚劇場では雪組公演が始まっていました。

主演男役・コムちゃん(朝海ひかる)と主演娘役・まーちゃん(舞風りら)のサヨナラ公演。多くの涙が流れたあの場所で、また新たな涙が生まれるのですね.......

この週末の『タカラヅカニュース総集編』は、雪組東京公演初日の模様を放映していました........でも、今日は泣かない(苦笑)

終演後のナガ組長(飛鳥裕)の挨拶は、退団したり組替えする生徒さんへの思いが語られて、ナガ組長らしい心温まるものでした。

挨拶をコムちゃんに引き継ぐとき、ナガ組長が「最後の初日挨拶」と言いました。最後の初日なのね.......そういえば、星組の初日を観にいったときに、わたるさん(湖月わたる)の挨拶を聞きながら「これが最後の初日なのね....」って思ったことを、思い出しました。

私たちはこれから千秋楽まで、数々の「最後」に出会っていくことになるのですね.....

コムちゃんの挨拶は、ともに舞台を作る人々.....スタッフさんも含めて......への思いがあふれていました。とても穏やかなものでした。

この人は、こうして穏やかに、ひとつひとつ「最後」を迎え、こなしていくのかな.....と思いました。

少し前。『アルバトロス南へ』の頃だったかな.....お友達のブログか何かで「この人はこうして静かに姿を消すのかな」っていうようなことが書かれているのを読みましたが。まさにその通りではないかなと、思いました。

そして私も、穏やかにこの人との「最後」を迎え、見送っていければいいな.....と思いました。

今日....すでに昨日になっていますが(笑)....はまた、コムちゃんの最後のお茶会が催されたと、たんぽぽさんという方のブログで読みました。

こうして一つ一つ「最後」を迎え、終えていくのですね.......

一つの星が消え、新しい星が輝きを増す

昨日(11/7)、タニ(大和悠河)が宙組トップ内定との劇団発表がありました。公式ホームページでの記事はサッパリとしてましたが、さすがENAKには少し詳細な記事が載っていました。

そうそう。今朝の宅配のスポニチにも、タニのトップ就任のニュースが載っていました。おとめに載っているのと同じ顔写真入りで。きれいな写真でした。

タニ。そしてタニをずっと応援し続けてきたファンの皆さまに、心からお祝いを申し上げます。

早くから抜擢されていたタニは、学年相応以上の経験は積んでいると思います。月組・宙組で数々の個性的なトップさんの下で培ったセンスを生かして、より魅力的なトップさんになってほしいなって期待してます♪

ちなみに私は昨日は星組観劇に出かけていて、劇場前でお友達と待ち合わせをしているときに、その報せを受け取りました。折りしも宙組公演中の宝塚大劇場では、きっとファンの方々がたいへんな騒ぎになっていたことでしょう。

でも喜びはひとまずおいて、今はかしちゃん(貴城けい)の新生宙組を、しっかり応援しなければね。


さて。コムちゃん(朝海ひかる)の大劇場サヨナラについて、しつこく書き続けているワタクシですが。サヨナラショーの詳細が緑野こあらさんのブログに記されているのを読みました。

タカラヅカニュース総集編』でダイジェスト映像は見たのだけれど。少し前に見た星組のわたるさん(湖月わたる)のサヨナラショーがダイジェストで見ても十分楽しめるものだったのに対して、コムちゃんのサヨナラショーはダイジェストではあんまり雰囲気がよくわからなかくて。まーちゃんとのシーンも少なかったし、どんなものだったのかしら.....って思っていました。

でも、こあらさんの日記でその雰囲気がよくわかりました。ある意味これも、荻田センセイ(演出:荻田浩一)らしいショーだったのですね。荻田センセイは、生徒さん一人ひとりの個性とか雰囲気とかを上手く捉えて、それまでの概念を打ち破るような舞台を作られる先生だけれど、サヨナラショーでもそのような演出がなされていたのですね.....

豊かな表現力で演出家のイマジネーションを刺激してきた、才能あるトップ・コンビがまたひとつ。大劇場の舞台から消えていったのだな......

こあらさんの日記を読んで、また、泣きそうになりました。でも今は会社にいるから、涙をぐっとこらえました。


一つの星は消えるえれども、また一つ新しい星が輝きを増す...........繰り返し思うことだけれど、それが「宝塚」というものなのですね.......

どうして涙が出てくるのだろう.....

昨日....もう一昨日になりますが。用事があって、わたるさん(湖月わたる)の東京宝塚劇場の入りのガード帰りの友人に会ったら。

「寒かったから会服着たまま戻ってきちゃった」という、その会服が白いものに変わっていました。その日から会服の色がかわったのだそうです。

わたるさんのサヨナラの日は確実に近づいているのだと、またもハッキリ認識させられる出来事でした。

さて。この週末のタカラヅカニュースは話題が満載。

宙組『維新回天・竜馬伝!』の初日に、月組全国ツアー『あかねさす紫の花』の千秋楽に、月組日生『オクラホマ!』の千秋楽に、雪組『堕天使の涙』の千秋楽。

なんだか最近の宝塚の話題のめまぐるしさを、今週のタカラヅカニュースが象徴してるような気がします。

雪組千秋楽。コムちゃん(朝海ひかる)のサヨナラショーの映像を見ているうちに、涙が出てきて、止まらなくなりました。10/20に大劇場で雪組を観劇したときもそうだったのだけれど、寂しいとか、悲しいとか、感情が心に浮かぶ前に涙がこぼれてくる......どうしてこんなに涙が出てくるのだろう。ってくらい、後から後から涙があふれてくる。

自分はそこまでコムちゃんのファンだと意識したことはなかったし。正直すごい悲しみを自覚しているわけでもない。でも、ただただ涙があふれてくるのです。この不思議な感覚を、自分ではまだうまく整理できなくて、うまく言葉で表現することができません。

どうしてこんなに涙が出てくるのだろう.....

ステキな夢を最後まで......@雪組千秋楽

昨日10/30(月)。雪組トップスター・コムちゃん(朝海ひかる)が、お相手役のまーちゃん(舞風りら)と大劇場を卒業しました。

宝塚歌劇の公式ホームページに、朝楽屋入りするときのコムちゃんの表情が映っていました。とても爽やかな、平常心といった感じの面持ち。コムちゃんらしい笑顔でした。

退団の記者会見の席で、手形のお披露目があったようです。先に大劇場を卒業されたわたるさん(湖月わたる)のときも手形のお披露目があったけれど、このあたりの流れが変わったようですね。たしか、たかこさん(和央ようか)のときには、貴社会見の席で型をとっていたような気がするので。

記者会見でコムちゃんは

「雪組に来れたからこそ、私はここまで芝居、歌、踊りが好きになれたと思います」

と語ったそうです。

そう。花組の頃のコムちゃんは「私は踊っているだけで幸せなのに、どうして歌や芝居をしなければならないんだろう.....」と悩んでいたって。雪組に組替えになって間もない頃に語っていました。

宙組で歌うことに目覚め、雪組になってお芝居をすることに目覚めた。

もともと豊かな才能を持った人だったのだと思います。度胸もあるし。それが雪組で開花したのですね........

お披露目のショー『Joyful!!』では、雪組の組子さんたちに囲まれた真ん中で、ピンクのお衣装で踊るコムちゃんがとってもかわいかった。私が舞台の上のタカラジェンヌさんを見て、初めて「フェアリー」って言葉を実感した瞬間でした。

『Joyful!!』はとっても大好きなショーでした。そのショーが見たくて、初めて何度も通った公演でした。『Joyful!!』を追いかけて、浜松まで行ったこともありました。

『Joyful!!』では、まーちゃんもステキでした。コムちゃんに寄り添う愛らしいお相手でもあるし、男役さんたちに囲まれて強い女であったり。ベストにパンツで飛び跳ねるように踊っていたり。多彩な魅力を発揮していて、いっぺんでまーちゃんの魅力の虜になってしまいました。

でも。可愛らしいけど頼りなげなトップさんだな......って思った。その頃。

だけどあれから4年?コムちゃんはとってもたくましくなった。いたいけない少年がさまざまな経験を経て大人の男になった感じ。とても立派なトップさんになった。

10/20の舞踊会の日の昼間。雪組公演を観ました。コムちゃんは、たくましくてかっこよかった。あの華奢でかわいらしいコムちゃんの面影はないけれど。でも、コムちゃんにしか表現できない世界を、余裕をもって演じている姿に。そして、あのときと同じように、コムちゃんに寄り添って優しく愛らしく、そして舞台の真ん中で力強く華やかに踊るまーちゃんの姿に。お披露目の頃からこれまでのコムちゃんとまーちゃんのあんな姿、こんな姿が心に浮かんで。後から後から涙がこぼれてきました。

豊かな表現力とふんわりと優しい空気で私たちにたくさんの夢を届けてくれた、コムちゃんとまーちゃん。
この二人らしい、愛らしく幸せな雰囲気に満ちたショットがENAKに掲載されていました。

同期からのお花を届けたのは、おさちゃん(春野寿美礼)ととしこちゃん(鈴懸三由岐)だったそうです。全国ツアーに旅立つ前に。音楽学校入学以来の仲良しのコムちゃんのお見送りに駆けつけることができて、おさちゃん、ほんとによかったね.......同期3人が一度に卒業してしまうのも、寂しいだろうけれども......

コムちゃん、とっても痩せた.......でも、ぜひ私たちに最後の夢を、ステキな夢を届けてください。クリスマスイブのその日まで。身体に気をつけて頑張ってくださいね。

よいものを見せていただいた....@宝塚舞踊会

10/20の『宝塚舞踊会』を観るために、ムラへ行きました。ご贔屓の星組が東京にいるっていうのに、なにをわざわざ......というのは、今回の『宝塚舞踊会』には、かの「東洋の白バラ」春日野八千代さんが出演されるというのを聞いたから。

春日野八千代さんは、私の母の「永遠のスター」なのです。この『すみれ三昧日記』にも何度か書いたことがあるのですが、戦中・戦後の女学生だった母にとって、「宝塚の春日野八千代」は「憧れ」などという言葉では表現できないほどのスターさんだったわけです。

一昨年の90周年の記念の公演以来体調を崩し、舞台に立たれていなかった春日野八千代さんが出演されるとのこと。ちょうど今年は母の喜寿のお祝いもあることだし。春日野センセイもお歳を召されているし、私の母も2年前に一度倒れたこともあるし。お互いに達者なうちに、その舞台姿を見せてあげよう......ということで、チケットを取っておいたのでした。

さて。その『宝塚舞踊会』ですが.....要するに日舞のおさらい会でしょう? みたいな認識でしたが、どうしてどうして。なかなか見ごたえのある公演でした。

下級生さんたちが一生懸命に踊っている姿、専科さんたちの磨き上げた芸に、とても驚き、感動しました。

来年から雪組トップに内定している水夏希さんの踊りには、まさに今を盛りといった「華」を感じさせられました。

そして、しんがり。春日野八千代さんの姿の美しいこと.......

オペラで見てみればとってもお年を召されているし、足元もちょっと覚束ないけれど、岩にもたれた物憂い姿、着流しのすっとした立ち姿、長い指先、滑らかな手の動き。そして、着物に頬を押し当てるしぐさの色っぽさ........ あぁ。やっぱり「至宝」なのだと、あらためて思いました。

90周年の頃よりもお元気そうなお姿にも、なんとなくほっとしました。私は2階後方の当日券席で観ていましたが、前のほうの客席で、年配の方々がハンカチを目に押し当てていたのが、印象的でした。

フィナーレはとっても楽しい民謡メドレー。それに、水さんをはじめとする、スターさんたちのタンゴ!

最後に出演者勢ぞろいで礼。春日野八千代さんも、松本悠里さんに手を引かれて登場されました。

緞帳が下りても鳴り止まない拍手に、1回だけカーテンコールがあり、真ん中に立つ春日野八千代さんの姿にさらに大きな拍手が.......

よいものをみせていただいた.......っていうのが、見終わった後の正直な感想です。

でも、公演時間4時間は長かった.......ちょっと疲れました(苦笑)

これがあの.......@スカステ『パッサージュ』

2001年雪組『パッサージュ』。何かと話題に上ることの多い、というか、すでに伝説と化しているのではないか?ぐらいの勢いの、オギー(演出:荻田浩一センセイ)初めての大劇場ショー作品が、今月ようやくスカステでも放映されました..........入ってよかったスカイステージ、です(笑)

冒頭、ブルーグレーのお衣装で現れる、少年・コムちゃん(朝海ひかる)のダンスが、印象的です。そうそう。コムちゃんって、こういう少年っぽさが魅力的だったのよね.....と思い出す。それにしても、コムちゃんて、ほんとにダンスの表現力が豊かだと思います。ひとつの世界を確かに表現している。何かの空気を生み出している。

白いお衣装の少女。まひるちゃん(紺野まひる)も、とても不思議な空気を生み出している。

........ここでいくつかのシーンがカットになっているのだな。きっと。

その不思議な空気感とはうらはらなんだけど、その後に続く黒燕尾のシーンが、私はとっても好き。花道から舞台から。ずらりと勢ぞろいした男役さんたち。次々と現れるスターさんたち。とても華やかだな~って思う。劇場で、生で見ていたら、きっともっと、華やかでステキだったに違いない。

この、黒燕尾のシーンの終わり頃にとどさま(轟悠)がセリ上がってくるときに着ている白燕尾がとってもステキ。襟と身頃と、ベストの身頃にたくさんのタックを入れた......というか、プリーツをたたんだ。ペーパークラフトのようにアーティスティックでエレガントなデザイン。こんな燕尾、初めて見た気がします........とどさまは白燕尾がお似合いなのですね。

ハマコ(未来優希)が、とっても早口に歌を歌う、パリのカフェのシーンも、クールで大人でステキ。ジゴロっぽいわたるさんが、ステキね......ハマコ、この場面のほかにも、頻繁に歌を歌う場面があるけれども。どこの場面でも、パリの空の下.....っていう、粋な雰囲気を感じさせていて。やっぱりハマコは宝塚の宝だ......と実感。

天希かおりサンと五峰亜季サンが二人で踊るダンス・シーンも、大人っぽくてステキ。印象的な場面ですね。

この頃の雪組には、こういう大人の雰囲気を纏った生徒さんがいっぱいいたのですね。それに、ダンスが上手な方も多かったような気がする。男役さんも、女役さんも。だからこそ、このような雰囲気のあるショーを作り上げることが可能だったのでしょうね。

宝塚歌劇では珍しいといわれる三拍子の主題歌も、粋でステキだなって思います。じつは私、この「パッサージュ パッサージュ」って歌を、携帯の着メロに入れています。それぐらい好き。でも、これでパレードは。ちょっと拍手するのがつらいかもね(笑)

今日は初めて観たので「これがあの『パッサージュ』か.......」という感想だけど、あと数回観るうちに、もっといろんなところが見えてきて、きっととっても好きになると思います。

今月は、あと2~3回ぐらい放映するようです。わたるさん(湖月わたる)、コムちゃんがサヨナラだからかなぁ.....???
でも、その間にしっかり観ておきたいなって思います。