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小さな白い花@宙組東宝千秋楽

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すこし前の話をします。

10月1日。宙組東京公演『バレンシアの熱い花』千秋楽の翌日。仕事で銀座に行く用事があったので、ついでに日比谷シャンテ地下のキャトルレーヴに、予約していた品物――星組博多座の舞台写真――を受け取りに行きました。

東京宝塚劇場の入口ロビーには休演日の札が立ち、劇場前の舗道も公演中の賑わいとはうってかわって、ひっそりと静まりかえっていました。

前日の千秋楽の日、私の住む横浜地方では朝から細かい雨が降ったり止んだりを繰り返していたけれど。千秋楽の幕が下りる頃、ここの空模様はいかがだったのでしょう....???


千秋楽の雨はせつない。退団者のあるときはなおさら。この道を歩いて帝国ホテル前の交差点に消える緑の袴姿を覆う雨。見送るファンたちに降りかかる雨.......今回の公演で卒業された3名の生徒さんたちの肩が濡れることはなかっただろうか......

夕闇の迫る舗道にふと、小さな小さなよねさん(鈴鹿照)の姿を見たような気がしました。よねさんの袴姿があの交差点の向こうに消える瞬間、見送るファンの心に浮かぶ思いは、同じだったと思う。

惜別......

私が初めて宝塚歌劇の舞台の上で、生の(笑)よねさんに出会ったのは、星組の前の前のトップスター・タータン(香寿たつき)のサヨナラ公演『ガラスの風景』でした。
まやさん(未沙のえる)と二人、仲良しで、人がよくってうわさ話が大好きな、年配の姉妹の小柄な姉さんの役。
割とシリアスなお芝居の中で“笑い”の部分を受け持っているのだと思うのだけれど、その姿が愛らしくって憎めない。こういうおばさん、たしかにいるよな~って苦笑交じりにうなずいてしまうような。そんな役。

ショー『バビロン』にもちょこっと登場していたっけ。コミカルな女役として。コミカルな男役として。

よねさんは小柄な方だけれど、男役も娘役も、どちらもこなされていた。善人のときもあれば、悪人の時もあった。けど、私の中のよねさんのイメージはいつも、善意に満ちたかわいらしい人。性善説の世界に生きる人。
悪人だけど、極悪人にはなりきれなくて、どこかに愛嬌を感じさせる。あるいは善人だけれど、どこかに小さな悪意が潜んでいる.......そんな人間の二面性というか、多様性というか。業のようなものを感じさせる人。そんな役がぴったりだったと思います。

そしてそこにいつも、生きる喜び、地に足をつけて生きる人々の力強さ、人の営みの素晴らしさ、人間への大きな愛、そんなものを感じさせられていました。

ひろい大地の片隅に人知れず楚々として、けれどたくましく花開く、小さな白い花。そんなイメージ。

宝塚歌劇は「夢の世界」なのだけれど、あまりにかけ離れた「夢」の世界であっても私たちはついていけない。その「夢の世界」を少しだけ、私たちの棲む「現実」の世界に引き寄せる手助けをしてくれるのがよねさんのような存在だったのかもしれない、とも思います。

よねさんの最後の出演作となった『バレンシアの熱い花』では、悪者・ルカノール公爵の従順な手下として働く小役人・ホルへを演じていました。ホルへは物語の終盤で、ルカノール公爵を討つために城に忍び込むフェルナンドを導く手助けをする。それは、自らの出世と懸賞金と引き換えにフェルナンドの父を手にかけたことへの償いのため、そして、息子ドンファンへの償いのためであった、という。このエピソードは初演時にはなかったもので、今回初めて物語に取り入れられたものだそうです。お芝居をみているときには、ちょっとびっくりさせられる、え?そうなの?みたいな、唐突な展開だったけれど。
ホルへが最後まで悪人に徹しきれないのは、よねさんらしいエピソードだと思います。そして、息子の腕の中で償いの思いを語りながらこと切れるのは、よねさんにふさわしい最後のシーンではないかな、と思いました。

そんな「よねさんらしさ」は、一朝一夕につくりあげられるものではなくて、長い宝塚歌劇の舞台経験の中で、培われ、築き上げられたものなのでしょう。

「42年のマラソンのゴール」と、千秋楽の挨拶の中で、よねさんはおっしゃいました。42年の年月の重み.........この42年間が失われることは、とても大きなことではないだろうか......

宝塚歌劇で再びよねさんのような存在に出会うまで、私たちはどれだけの時間を待ち続けることになるのだろうか........

『宝塚舞踊会』の振り返り

Photo_1この週末の『タカラヅカニュース総集編』では、先日の『宝塚舞踊会』の模様を放映していました。とても感動的なあの時間から、早くも1週間が過ぎたのですね.....『タカラヅカニュース』のダイジェスト映像はあまりに短くて。それに「見たいのはそこじゃないのに....」って感じだったりもします。全部の映像を放映してもらえるのは、いつのことになるかしら......待ち遠しいな。

舞踊会のこと、関西ではいろいろな新聞やサイトで報道されていたようですが。中でも『宝塚プレシャス』の記事は、全部の演し物について触れていて、写真もあって、よかった。

けど、自分なりの感想も、忘れないうちに書き留めておこうと思います。あくまでも、素人目からの感想ですが.....

まず印象的だったのは、開演前の劇場ロビーの雰囲気。和服の方が多く、華やいだ雰囲気は、いつもの公演とずいぶん異なっていました。そちらこちらで、挨拶を交わす声がしており。まさにお稽古事の大きな「おさらい会」のようなものなのでしょうか。

ロビーの一隅に植田紳爾センセイが立ってました。この日の構成は、植田紳爾センセイなのです。とても清々しいお顔でいらっしゃいました。

◆第一幕◆

◇長唄 元禄花見踊


岬 麗
彩 涼
香音 有希
桜寿 ひらり
寿々音 綾


大月 さゆ
純矢 ちとせ
花夏 ゆりん
悠月 れな

雪組の生徒さんによる踊り。

お正月なんかの華やかな場面でよく聞く チャン チャチャン チャカチャカチャン♪ のお囃子に乗せての、華やかな演し物でした。上手の花道にやぐらっていうのかな、なんていのかな。お家みたいなのが組んであって、そこにお囃子の方々がいるので、その仕掛けにまずはビックリ。

演目の華やかさにふさわしく、生徒さんたちも華やか。色とりどりのお着物がとってもきれいです。とくに娘役さん4人が、いずれもきれいで、晴れやかな表情で踊っているのが印象的でした。それに、皆とっても落ち着いていて、日頃のお稽古の賜物、って感じ。やはり「和物の雪組」の面目でしょうか。
とくに大月さゆちゃんは、本公演でも結構重要な役をもらっていたし、新人公演ではヒロインを演じていたし。それに加えて舞踊会のお稽古は、とってもたいへんだったと思うのだけれど.....もちろん、他の生徒さんたちも、新公のお稽古と両方はたいへんだったと思うけど。そういう意味でも、あらためて宝塚を見直した演し物でした。

◇筝曲 千鳥の曲

花野 じゅりあ
舞名 里音
花影 アリス
愛純 もえり
綾音 らら
聖花 まい
雫花 ちな
妃宮 さくら

お琴の伴奏で、ピンクのお着物で、きれいな演し物でした。穏やかな曲に流れるような踊りが心地よかったです。
私も名前の知っているような注目の若手娘役さんたちがいっぱい出てたはずなのだけれど、やっぱり和物の化粧の難しさ。どれが誰だかいまいちよくわかりませんでした。私が判別できたのは花野じゅりあちゃんと花影アリスちゃんぐらい。でも、他の娘役さんたちも皆、神妙な面持ちで、とても丁寧に踊っていました。

でも。目と耳に優しい演し物は、朝早くから動き回っていた身にはつらく......途中から意識が切れ切れになりました.....熱心に踊ってらした生徒さん方、ほんとにごめんなさい!

◇長唄 水仙丹前

風莉 じん
早霧 せいな
朋夏 朱里
美牧 冴京
夕霧 らい
凪七 瑠海
天宮 菜生
香翔 なおと
嶺乃 一真
雅 桜歌
鳳樹 いち

先の娘役さんの踊りもそうでしたが、雪組さん以外はいろんな組の若手さんが一緒に踊っています。これも、なかなかない機会ですね。

この演し物は、水仙が描かれた、大きな屏風?の前で男役さんたちが、入れ替わり入れ替わり、舞台に現れてははける、って感じの踊りでした。最初、男役さん3人ぐらいがセリ上がってきたときは、客席から歓声が上がりました。

こちらも注目の若手男役さんたちがいっぱい出ているのですが、やっぱり、どれが誰だかイマイチわからず.....むずかしいなぁ.....昨年、劇団から「レッスン奨励賞」という賞をもらった雅桜歌ちゃんも、ここに出演しています。日頃のお稽古の成果、なのですね。

真中で踊っていたのはたぶん、風莉じんちゃんではないのかな?と思うのですが.....違ってたらゴメンナサイなのですが.....とてもしっかりと落ち着いていて、安定感があって、印象に残りました。

◇清元 吉原雀

千雅 てる子
鈴鹿 照

ここから舞台にセットがしつられるようになります。

やはり、専科さんの踊りは違いますね。安定感があるっていうのかな。鍛え方が違うな、うまいな、って思う。
千雅てる子さんは、きれいでした。鈴鹿照さんの、ちょっとコミカルな動きも楽しかった。漫才を見てるような感じかな。

千雅てる子さんは、前々から気になっている専科のオネエサマで、ぜひ一度生で舞台を拝見したいと思っていたのだけれど、こんな機会に実現するとは.......ちょっと意外(苦笑)
でも、思ってたとおりステキな方でした。

◇長唄 橋弁慶

牛若丸 北翔 海莉
弁慶  悠未 ひろ

お能の舞台を模したセット。
牛若丸が登場すると、その愛らしさにちょっとびっくり。客席もちょっとざわめく。
しばらくして弁慶が登場すると、そのデカさに思わずびっくり。客席もかなりざわざわと.....

ホクショーくんはキメのポーズがすごくかっこいい。一方、ともちん(悠未ひろ)は、ひとつひとつの動きがとてもきれい。個性の異なる二人が、息を合わせて踊っている姿が.......失礼かもしれないけれど、愛らしかったです。一生懸命、真剣に踊っているのが手に取るようにわかって、思わず甥っ子を見守る叔母さんのような気分になりました。

◇清元 茶筅売

茶筅売 邦 なつき
小原女 一原 けい

このお二人の専科さんは、上品な奥方様からコミカルなお女中さんまで、なんでもこなせる、ある意味宝塚らしい女役さんってイメージがあったのですが、そのイメージにぴったりな、表現力たっぷりの楽しい演し物でした。

これも、鍛え上げられた芸があってこそのものなのだなと思うと、宝塚の専科さんたちの「すごさ」みたいなものを、ひしひしと感じざるをえません。

パンフレットに、邦なつきさんは、今回出演できなかった京三紗さんとともに、この舞踊会の幹事・裏方として頑張っていらしたことが書かれていました。

◆第二部

◇長唄 鶴亀

王 飛鳥 裕
鶴 五峰 亜季
亀 音月 桂

平成8年の子年。真矢みきさんが主演した花組お正月公演『花は花なり』の中にも入っていた演目。ビデオで何度も見た作品ですが、生で見るのは初めて。
ビデオで春日野八千代さんが王を演じたものと、ちょっと雰囲気が異なって、優しい雰囲気の鶴亀でした。

亀のキムちゃん(音月桂)は、ここでも学年に似合わぬ余裕。踊りの動きも滑らかだし。腰も入ってるし。セリフを言う声も朗々としてる。キム、ほんっとに大物なんだな......

いっぽうまゆみちゃん(五峰亜季)は、若々しくて爽やかで愛らしい。バレエやダンスの人ってイメージだったけど、日舞もこうして、専科生として頑張っていらっしゃるのですね.......でも、もともと雪組だから、日舞は苦手ではないのかな?

◇清元 三社祭

善玉 愛音 羽麗
悪玉 箙 かおる

パンフレットに「専科の箙かおるの胸を借りて花組の愛音羽麗が挑戦します」と書いてありましたが。まさにそのとおり。

箙かおるは貫禄。どんとぶつかっても揺らがない、って感じ。コミカルな動きは、いかにもチャルさん(箙かおる)にふさわしい雰囲気。それにしてもうまいぁ.....私のような素人でも、違うなってわかる。

いっぽう、みわっち(愛音羽麗)も健闘。すごくよかった、と思う.....素人目だけど。すごく、安定感があったと思います。

でも、始終動いているような、マラソンのような演目。最後まで腰乱れないで踊りきった、みわっちを見直しました!

◇長唄 二人猩々

猩々  萬 あきら
    一樹 千尋
酒売り 大伴 れいか

クールでダンディな洋風のオジサマ、って印象の強かった萬あきらさん、一樹千尋さんだけれども。やっぱり専科さんってなんでもできるんだ......ていうか、何でもできなきゃいけないんだ.......ってあらためて感心しました。

酒樽?に群がってはしゃぐような猩々二人の踊りが、とってもかわいらしくてチャーミングでした。ある意味、これも「フェアリー」ね(笑)

大伴れいかさん、爽やかで美しかったです。やっぱり、キャリアの違いかしらね......

◇清元 玉屋

水 夏希

通常の公演でいえば、トップ格にあたるのかしら.....?? 別格の松本悠里さん、春日野八千代さんを除いたなかで、しんがりを務めたのは、水さんでした、

シャボン玉の模様の着物に手ぬぐいをかぶり、桶を担いで登場。踊りは滑らかでした。でも、素人の私には、その実力は判別不能。とはいうものの、間もなくトップスターになる日を控えた立場にふさわしい、まさに今を盛りと咲く花のような、華やかさを感じさせられました。

◇長唄 藤娘

松本 悠里

日舞といえば藤娘?日舞を知らない人でも、その名前は知っている、有名な演目。
私は昔、歌舞伎座で、坂東玉三郎か誰かが踊った藤娘を見たことがありますが.....
それとはちょっと印象の違う富士娘でした。

松本悠里さんの華やかさ、あでやかさは、やっぱり宝塚のこのような舞台には、欠かせないものですね。

◇大和楽 なみだ生島

春日野 八千代

そして大トリは春日野八千代さんの『なみだ生島』。それを聞いた母が飛び上がって喜んだ、それぐらい、なんだか知らないけど期待させられる演目なのだそうです。

幕があいて。腰掛けて大きな岩にもたれるその姿の美しさ、色っぽさに、と~っても驚きました。あんなにお年を召されていても、この色気は何??

お見かけしたところ、90周年の公演のときよりも、顔色もよく、調子がよさそう。若干ですが、動きも滑らかです。

90周年のときにも思ったのだれど、立ち上がって歩く姿はたしかにお年を召されていて覚束ないし。オペラグラスをのぞけば、そのお顔は確かにそれなりのお年寄りのお顔なのだけれど。

すっと立った着流し姿の美しさ。色っぽさ。長い指先の美しさ。その滑らかな手の動き。
最後に女物の着物を頬に押し当てて涙ぐむ、その姿の艶なこと......やっぱりお年を召されても、「白ばらの君」は変わらず、って感じでした。

大きな拍手とともに幕が降り。2階上段から見下ろすと、客席のそちらこちらで、ハンカチを目に押し当てる、年配の方の姿が........その現役時代を知らない私でも、こんなに胸が熱くなったのだから。私の母をはじめ、昔を知っている方々にとってみれば、どんなに感動的なものであったことか.........

◇フィナーレ
たぶん、こういうCDがあるのだと思うのですが、民謡メドレー。東京音頭やら炭坑節やら佐渡おけさやら。
その歌にあわせて、下級生さんたちと専科さんたちが、紋付に緑の袴姿でお扇子をもって踊る。とっても楽しいフィナーレです。

東京音頭を踊る花野じゅりあちゃんの満面の笑顔。飛び跳ねて炭坑節を踊る、チャルさんの楽しそうな姿。

続いて、ホクショーくん、ともちん、キムちゃん、それに水さんが、タンゴを。おすまし顔で。

緊張から解き放たれて。達成感もあると思います。みんなみんな、とっても弾けてる。

最後に、松本悠里さんが舞台下手から、春日野八千代さんの手を引いて現れ、全員そろって一礼して、緞帳が下りました。

でも、緞帳が下りても鳴り止まない大拍手に。1度だけカーテンコールがあって。
舞台中央に立つ春日野八千代さんの姿に、さらに大きな拍手が沸き起こっていました。

終演後のロビーは、これまでにないほどの興奮に満ちていました。誰もが口々に春日野八千代さんのご健勝を喜び、その美しさに感嘆の声を上げていました。

ほんとにいい経験をさせていただいた。わざわざムラまでやってきてよかった。
4時間もの長丁場に耐えた甲斐があった.......心からそう思いました。


けれど少し後になってふと思いました。

生徒さんの真摯な姿と専科さんの確かな芸に感動した『舞踊会』でしたが。専科さんたちと組子さんたちの芸の開きは大きい。この大きな差を埋めていくのはたいへんなことなのではないか..........
いま、和物はすごく少なくなってきているけれど、このような舞踊も、宝塚ならではのものだと思う。これを守り、受け継いでいくことのできるように、劇団にも生徒さんにも、頑張ってほしいなって思いました。

よいものを見せていただいた....@宝塚舞踊会

10/20の『宝塚舞踊会』を観るために、ムラへ行きました。ご贔屓の星組が東京にいるっていうのに、なにをわざわざ......というのは、今回の『宝塚舞踊会』には、かの「東洋の白バラ」春日野八千代さんが出演されるというのを聞いたから。

春日野八千代さんは、私の母の「永遠のスター」なのです。この『すみれ三昧日記』にも何度か書いたことがあるのですが、戦中・戦後の女学生だった母にとって、「宝塚の春日野八千代」は「憧れ」などという言葉では表現できないほどのスターさんだったわけです。

一昨年の90周年の記念の公演以来体調を崩し、舞台に立たれていなかった春日野八千代さんが出演されるとのこと。ちょうど今年は母の喜寿のお祝いもあることだし。春日野センセイもお歳を召されているし、私の母も2年前に一度倒れたこともあるし。お互いに達者なうちに、その舞台姿を見せてあげよう......ということで、チケットを取っておいたのでした。

さて。その『宝塚舞踊会』ですが.....要するに日舞のおさらい会でしょう? みたいな認識でしたが、どうしてどうして。なかなか見ごたえのある公演でした。

下級生さんたちが一生懸命に踊っている姿、専科さんたちの磨き上げた芸に、とても驚き、感動しました。

来年から雪組トップに内定している水夏希さんの踊りには、まさに今を盛りといった「華」を感じさせられました。

そして、しんがり。春日野八千代さんの姿の美しいこと.......

オペラで見てみればとってもお年を召されているし、足元もちょっと覚束ないけれど、岩にもたれた物憂い姿、着流しのすっとした立ち姿、長い指先、滑らかな手の動き。そして、着物に頬を押し当てるしぐさの色っぽさ........ あぁ。やっぱり「至宝」なのだと、あらためて思いました。

90周年の頃よりもお元気そうなお姿にも、なんとなくほっとしました。私は2階後方の当日券席で観ていましたが、前のほうの客席で、年配の方々がハンカチを目に押し当てていたのが、印象的でした。

フィナーレはとっても楽しい民謡メドレー。それに、水さんをはじめとする、スターさんたちのタンゴ!

最後に出演者勢ぞろいで礼。春日野八千代さんも、松本悠里さんに手を引かれて登場されました。

緞帳が下りても鳴り止まない拍手に、1回だけカーテンコールがあり、真ん中に立つ春日野八千代さんの姿にさらに大きな拍手が.......

よいものをみせていただいた.......っていうのが、見終わった後の正直な感想です。

でも、公演時間4時間は長かった.......ちょっと疲れました(苦笑)

グレーのスーツの謎@『オクラホマ!』

10/8の日曜日には、母と母のお友達が2人で、日生劇場月組『オクラホマ!』を観にいきました。

母のお友達は、昔、越路吹雪さんの大ファンだったそうです。越路さんは日生劇場を気に入ってらして、コンサートを日生劇場で開かれたりしていたのだけれど、そのお友達は子育ての最中だったこともあって、一度も劇場に行ったことがなかったそうです。
だから「日生劇場で観劇する」ってことに、朝からウキウキ気分だったようです。

いっぽう私の母は、ワタシが3週間あまりも長引かせた風邪が、最後にシッカリ移ってしまって、前日からとっても気分が悪いらしい。日曜日も朝からとっても不機嫌。
「約束してなかったら、出かけないのに.....」とブツクサ、プンスカ文句をいいまくる母を車に押し込んで、最寄駅へ送り届けました。

終演の頃合を見計らって、乗り換えのターミナル駅に二人を迎えに行くと、待ち合わせ場所の椅子に、ゴキゲンで腰をかけている姿が目に入りました。ホッ!

顔を合わせるなり、開口一番「よかったわよ~♪」と声をそろえる二人。

轟悠ってひと、きれいな人ね.....

と。母のお友達はいいます。

スーツ姿なんてとってもステキだったわ....

え?スーツ?? 『オクラホマ!』って、ウェスタンものじゃなかったっけ??
スーツ着てるの?

そう。スーツ着て出てくるのよ~ステキだったわ.....でも、お相手が花總さん(花總まり)じゃないのが残念ね.......花總さん、キレイだったものね.......残念ね.....

お友達は、おハナとたかこさん(和央ようか)に魅かれて宝塚をまた見始めて、その途端に二人とも退団してしまって、それが残念で仕方ないのですね.....(苦笑)

それにしても、フィナーレのショーがあるのかしら?

「いいえ。フィナーレはないのよ。階段も出てこないしね」

.....なんだかよくわからないけど。まぁいいか...(苦笑) 他には?

おばさん役を男役さんがやっているのだけれど、とても上手なのよ。歌もお芝居も。でね、最後に男役さんで出てくるのだけれど、ちゃんと男役さんなのよ。すごいわね.....

リュウさま(越乃リュウ)のことですね......ワタシもお稽古場風景をみてビックリしたんですが。でも、いい感じのようですね。

それと今日は、昔上演したときのキャストの方々がお揃いで観劇だったそうで。最後にとどさま(轟悠)が

今日は先輩の方々が観劇されていたので、緊張しました

と。ご挨拶されていたそうです。

ちなみに今日のワタシの車のカーオーディオに搭載されているCDは『ネバセイ』ライブ盤。母のお友達は「やっぱり和央さんね.....いいわぁ」と。

ゴキゲンなお友達をお家まで送り届けた後。母に「キリヤン(霧矢大夢)はどうだったの?」って聞いてみました。だって。キリヤンが出てなければ母だって『オクラホマ!』観たいっていったかどうか....(苦笑)。したら

キリヤ......母はいつも、キリヤンのことをこう呼ぶのです(笑)......は上手だったわよ。やっぱり。でもね、なんか暗い役なのよ。残念ね.....

って。いろいろなブログやサイトで話題になっていましたが。やっぱりそうなのね。
これからのスターさんなのに、敵役はかわいそうね.......

でもね。あの役はキリヤにしかできないわ。難しいもの

とのこと。なるほど。リュウさまは?

上手かったわね。やっぱり。あの役で全体が引き締まってる感じよ

そうですか......

「でもね。なんといっても轟悠のスーツよ。グレーでね、すっごくいいスーツ着てるのよ♪」

スーツフェチは母親譲りなのですね、ワタシ(苦笑)

城咲あいは、まだ若いわね。すごく硬かったわ。轟悠と一緒だから緊張してるのね

だって、お相手は百戦錬磨のトップ・オブ・ザ・トップですものね......

紫吹淳と映美くららぐらい齢が違うかしら...???

ん...年齢的にも、学年的にも、こちらのほうが離れてるかも。

じゃあ仕方ないわね.......

でも、幼馴染の役なんだよね...たしか?

やっぱり難しいわね.......でも、ダンスがね、やっぱり違うのよ

ダンス?デュエットダンス?

そう。轟悠と城咲あいが踊ってた

じゃ、やっぱりフィナーレ、あるのかなぁ....??? 謎だ....

その次の週末に私自身が観劇したときに、この謎は氷解するのですが。
今日のところはここまでということで.......(笑)

スターさんがかっこよければいいかな(苦笑)

ついさっきまで。雪組『タカラヅカ・ドリーム・キングダム』を見ていました。スカステで。
このショーは、宝塚歌劇90周年のラストを飾るもので、元雪組・トップスターのとどさま(轟悠)が特出されていて。3つのパートのオムニバス形式で、3人の演出家のセンセイがそれぞれのパートを担当されています。それぞれ「夢」をテーマにショーを構成してるのね。

Part1 ROSE~真紅に染まる夢
........ダイスケ(藤井大介)先生
Part2 白昼夢―IMMITATION DRAEAM・栄華/幻―
.........サイトーくん(斎藤吉正先生)
Part3 夢の城~夢は消えるのではない、ただ人が忘れるだけ~
.......ミッキー(三木章雄先生)

このショーは3回観劇したのだけれど、全体の印象というか、記憶というか、心に残っていることは、コムちゃん(朝海ひかる)とまーちゃん(舞風りら)のダンスの表現力ってすごいんだな~素敵だなぁ....ってことだったんだけど。

で。それをすっごく感じたのは、ダイスケ先生のパートとミッキーのパートだったんだけど。

でも、いちばん好きなパートはどこ?.....って自分の心に聞いてみると、それはじつは、サイトーくんのパートだったりします。

サイトーくんの舞台って、すごいオタクっぽいし、当たり外れが極端なんだけど、基本的に、スターさんがすごく格好いいんですよね。男役さんも娘役さんも。

この『IMMITATION DREAM』でも、ちょっとワイルドなコムちゃんと、アオザイっぽいお衣装がとても女らしくてステキなまーちゃんと。
ホワイトウルフなとどさまが、すごくかっこいい......とどさまなんて。座頭一の仕込み杖みたいな刀で娘役さんたちと殺陣なんてしちゃって。メチャかっこいい。
猫の耳みたいなおリボンをつけたロリータの山科愛ちゃんと晴華みどりちゃんと早花まこちゃんも超かわいいかったし。
ホワイトウルフなロケットも、メチャかわいいし。
美穂圭子おねえさまとハマコ(未来優希)の歌も、パワフルでかっこいいいし。
最後に黒い羽をつけたブラックのお衣装で現れる、かしちゃん(貴城けい)、となみ(白羽ゆり)、えりたん(壮一帆)、キム(音月桂)、ひじりん(聖れい)、それにまーちゃんも超かっこいいし。
.....ここで歌うテーマ『IMMITATION DREAM』も、かっこいいし。

サイトーくんが演出する舞台で一人一人のスターさんがすごくかっこいいのって、サイトーくんが一人一人の生徒さんをよく見てて、すごく愛してて。だから、それぞれの生徒さんの「良さ」をよくわかってるってことじゃないかしら?って思います。

このとき、ひじりんはサヨナラだったんだけど、サヨナラの生徒さんにこんなにかっこいい見せ場を作ってくれるのも、生徒さんのことをすごく思ってくれている証拠ですよね。
退団する生徒さんに見せ場を作ってくれる演出家さんって、私はとっても好きです♪

今日の昼間も。星組『長崎しぐれ坂』を、以前録画したビデオで見ていたのですが、この作品は、白地に青い模様の着物を着た伊佐次@とどさんが、めっちゃくちゃ粋でかっこいいのですね.....水際だった、っていうのは、こういうのをいうのかしら?って思いました。作品自体はともかく、轟さんのこういう姿に出会えたのは、とってもシアワセなんだと思いますね....

......なわけで。
結局のところ、なによりスターさんがかっこいいのが一番かなって思うわけですね。私は....(苦笑)

うれしい組替え。となみちゃんとあすかちゃん

仕事中に携帯にメールが届いた音がしたのだけれど、最近、ジャンク・メールがまた増えてきたから、放っておきました。

で。ふと何気に宝塚歌劇の公式ホームページを見に行ったら、妙に重い。これは何か重大な発表があったかしら? でも、今日。何故?....って思って、ページが開くのを待っていたら。

雪組及び星組 次期主演娘役について

という文字が。携帯に届いたメールは、モバイルタカラヅカからの星組速報だったのかもしれません.....じつはまだ仕事中なので、見ていないんですが(苦笑)

星組のとなみちゃん(白羽ゆり)が雪組に異動して、水さん(水夏希)のお相手に。
専科に行ってたあすかちゃん(遠野あすか)が星組に異動して、トウコちゃん(安蘭けい)のお相手に。

正直な気持ちは「きたな!」って感じ。

少し前からウワサは聞いていたのですね。次のエリザベートはとなみちゃん(白羽ゆり)だよって......こういうことがすぐにウワサで流れ出てしまうことはいかがなものか?とも思わないではないですが(苦笑)

でも、じゃあトウコちゃんのお相手は?あすかちゃん(遠野あすか)しかいないよね.....みたいな。

だから、この二人がチェンジすることについては「すごいビックリ」ではなかったのだけれど。

前も、とどさま(轟悠)が雪組のトップさんになったばっかりの頃おハナちゃん(花總まり)が新しくできた宙組に組替えになって、当時まりこさん(麻路さき)の相手役だったグンちゃん(月影瞳)が星組から雪組にやってきてとどさまのお相手になって、まりこさんのお相手には雪組から星奈優里ちゃんが行った、なんてことがあったけど。結果的に、みんないいお相手に恵まれたことになったと思うのね。だから、トップさんが替わったら、それぞれに似合うお相手のもとに、なんだろ。嫁ぎ替え?(笑)なんてことがあっても、私は悪くないと思います。そういう意味では、久しぶりにうれしい組替え........でも、昨今、中堅・若手男役さんの強引とまでは言わないけれど、組のアイデンティティを揺るがしかねない組替えが頻繁に行われてきただけに、「チェンジ」ってことに対する反発は結構あるかもね.....最終的に、星組・雪組、それぞれが、いい作品を生み出すことを心から願いたいと思いますが。

ただ、ビックリしたのは、組替えのタイミング。年末のプレお披露目のドラマシティぐらいは、トウコちゃんととなみちゃんで演るのかな.....って思っていたので。今の公演が終ってすぐってタイミングには、ちょっとビックリ。でも、考えてみたらまーちゃん(舞風りら)もコムちゃん(朝海ひかる)に「添い遂げ」で退団してしまうのだから、となみちゃんが『ヘイズ・コード』に出てしまったら、中日劇場のお稽古に間に合わなくなってしまうものね.....

個人的には、やっぱりとなみちゃんは、雪組で育ったコだから、雪組でトップさんになってほしいな.....そのほうが似合うな....って気持ちがありました。星組の経験も生かして、ビッグな娘役スターさんになってほしいですね。

あすかちゃんは、梅田芸術劇場の『コパカバーナ』のコンチータ役で、リコ@トウコちゃんと、実力、ヴィジュアルともども、いいコンビネーションを生み出していたと思いました。リコ@トウコちゃんが、目を閉じてコンチータ@あすかちゃんの胸に抱かれるところ。リコ@トウコちゃんが車椅子の上で、コンチータ@あすかちゃんにワガママをいうところ、などなど。すごく印象的でした。

トウコちゃんのお相手は、あすかちゃんがいいんじゃないかなって。そのとき以来密かに思っていました。ちょっとやんちゃなトウコちゃんを、ちょっとお姉さんの雰囲気を持つあすかちゃんにやさしく受け止めてほしいなって気がしていました。

それと、専科入り直前の花組千秋楽で、いっぱい涙していたあすかちゃんが忘れられません。こんなに早く、あすかちゃんの個性と実力を発揮できる場所に戻ってこられたことも、とってもうれしく思います。

となみちゃんとあすかちゃん、同期どうし切磋琢磨って感じで、それぞれの組でお互いの個性を発揮し合ってもらえるといいなって思います。

雪組の水さんととなみちゃんには、お二人の持つ華やいだ雰囲気を生かして、耽美な舞台を見せてほしいと思います。

そして、星組のトウコちゃんとあすかちゃんには。卓抜した歌唱力と演技力を存分に発揮して、後々に語り継がれるような名作をたくさん生み出してほしいと思います。

どちらの組にも、とっても期待します............けど、来年のスターカレンダーのラインナップに、あすかちゃんも入れてあげてほしいな.....

ジンクスは大切にしなくちゃね....

今年の『宝塚舞踊会』には、春日野八千代先生が出演されるということなので、この秋は母を連れて宝塚観劇に行こうかと思っています。

昨年は、舞踊会には出演されなかったのですね。たしか。90周年の行事を終えた後、体調を崩されたとお聞きして心配していたのですが。今年は出演されると聞いて、ほっとしました。

母は女学生時代......戦争が終わるか終わらないかの頃から、春日野八千代さんの大ファンだったのですね。何しろ、戦後進駐軍に接収されてアーニーパイル劇場といわれていた東京宝塚劇場が返還された、その第1回の記念すべき公演を見に行った、というのが、母の宝塚ファンとしての自慢の体験なのです。

春日野八千代がね、きれいだったのよ~....
という話を、これまで何度、聞かされたことでしょう。事実、ワタシも『源氏物語』や『南の哀愁』などの作品に出演された春日野八千代先生の写真をみるにつけ、上品できれいな男役さんだな......って思っていました。

でもそれくらいの時代からのスターさんだから、もう、かなりのお年。ウチの母も、来年喜寿を迎えるぐらいだから、結構な年。春日野先生も、失礼ではあるけれど、いつ舞台に立てなくなっても不思議はないお年に差し掛かっているし、母もいつ倒れてもおかしくない年....ていうか、すでに一昨年に一度倒れているし(苦笑).....なので、せめて母が元気で春日野先生が舞台に立っているうちは、可能な限り春日野先生の舞台を見せに、母をムラに連れて行きたいと思うのです。

で。昨日(8/22)と一昨日(8/22)の2日間、舞踊会のチケットの宝塚友の会先行発売抽選方式の受付日だったのですね。なので、昨日の夕方、いつものように会社の食堂から携帯で電話申し込みをしました。

じつはその舞踊会のチケット先行販売ですが。数年前申し込んだときは、ひとり2枚ぐらいまでOKだったような気がしたのですが、今年はひとり1公演1枚まで、という制限がつけられてるのです。ショック!
舞踊会のチケットってそんなに人気があるかしら....? なんていっては失礼かしら....(苦笑)

でもサイアク、母のぶん1枚だけでもチケットがあれば、自分は立ち見でもいいし、どこかで時間をつぶしててもいいしな.....と思って、ひとまずS席を1枚だけ申し込みました。

今日はほかに、花組全国ツアーの神奈川県民ホールでの公演の申し込みもあったので、ついでにそれも2枚×2公演で申し込んでみました。自分が行くならA席で、3階席でもなんでもよいのだけれど、今回自自分はいけるかどうかわからないので、そうだとしたら、お友達に譲るにしてもサバくにしても、S席のほうがよいので、今回は2公演ともS席で申し込みました。当たるかな.....?

で。先週申し込みをした星組東京公演『愛するには短すぎる』の抽選結果を聞くために,
続けて電話を.......じつは私、抽選結果を電話で問合せすると外れる、というジンクスがあるのですね。でも、この公演はなんとしてもチケットを手に入れたいので、もし当たっていなければ、一般発売日の店頭にかけよう!と思っているので。しかも、当たったとして、チケットが自宅に届くのは、案内によればチケットの一般発売日の翌日なので.....なんて間が悪いのでしょう。ていうか、一般発売前の発券はしないのでしょうか....? なので、やむなく電話問合せをしたのですが......

全敗でした.......「残念ながらお申し込みのチケットをご用意できませんでした。ほかの公演の.....」というメッセージを4回も続けて聞いてしまいました(涙)

こんなことなら、キッパリと覚悟をきめて、チケットが送られてくるのを待つことにすればよかった......あ~すごい後悔です......

やっぱり、ジンクスは大切にしたほうがいいですね。早実の齋藤クンの青いタオルではないですが......(苦笑)